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2021-01-04

読書レビュー『ノースライト』『うつ病九段』

2021年は目標の一つに、読書50冊(漫画除く)を掲げました。
ただし、惰性のように読んでは忘れて、どんなストーリーだったかしらと消費するのはもったいないので、
ちゃんと読んだ記録をどこか(多分インスタ)に残していこうと思います。人目に触れれば継続もできますしね。

そこで、事前練習として、去りし2020年に読んだ少ない本の中から印象的だったものをメモをここに残します。
本当は5冊くらいレビューしたかったんですけど、慣れないレビューに力尽きたので2冊だけです。

物事をレビューしたり感想述べるのって、自分の語彙力や陳腐な表現で間違って伝わってしまわないかとか、作者の意図から外れたり、伝え切れないのでは?って怖くて、すごく苦手意識あるんです。
でも昨年からライティングの仕事がちょこちょこあるので、物を書く癖をもっと付けたいなってとこと、
感想をのべる、所感を伝えるっていう大切なことから逃げるのはよくないなってことで。

まあ、練習ですので。

横山秀夫『ノースライト』

横山秀夫の著作は、『クライマーズハイ』『64』をはじめとして色々読んでますが、どれも重量感のある文体と、人間臭さがもりもりな登場人物がとても読み応えがあってどれも好きです。

著書の多くは、警察小説や、記者時代の経験が活かされた内容ですが、本作は、建築・不動産が中心。
本筋のミステリーパートは「横山秀夫史上最も美しい」のおふれがあり、読後感はスッキリでした。

ミステリー。特に横山秀夫のような警察小説だと、「事件←警察」の構図で、登場人物が行動を起こさないといけない状態から話が展開していきますけども、
本作だと、主人公は行動を起こす必要がないことに対して、自身の感情を推進力に行動を起こすんですが、
そこがとても現実的で、しかしそこまで動くかね?という。
好奇心と自尊心に駆り立てられた人間って、行動力ってこういうことなんでしょうねと思います。
いつ自分がこんな旅順ミステリーに巻き込まれるか、そんな「事実は小説より奇なり」は自分の好奇心にかかっているのかもしれませんね(陳腐)。

タイトルにもなっている「ノースライト」って、建築用語ではないんでしょうかね。
主人公の建築におけるコンセプトについて名前なのかもしれませんが、
描写されているような光の入り方、輪郭を持たない明るさってなんだか幸せな雰囲気と懐かしさがあっていいです。

それとは打って変わって(?)、横山秀夫の小説は1行1行から、注がれた心血滲み出てきそうなところがいいです。

もともと『旅(JTB→新潮社)』内での連載小説だったようですが、文庫化の際の書き直しで元の文章は1割ほどだとか。掲載時の内容も気になってきます。
『旅』は松本清張の『点と線』を連載していた雑誌だそうで。
編集の方の「『点と線』を超えるような作品を」から書かれたという背景があるみたいなので、『点と線』も今年中に読もうと思います。

先崎学『うつ病九段』

プロ棋士の先崎学さんの、自身のうつ病体験の本です。
オフィスが千駄ヶ谷に移転したこともあって、『3月のライオン』を全巻購入して読み返ししたんですが、そこで将棋のコラムを執筆なさっているのが先崎九段。
将棋や、界隈についてがとても読みやすく・わかりやすく書かれているので、気になって何か書籍を読んでみようとこちらを選択しました。
買った時点で漫画化されていたので読みやすいかな、と。

元々エッセイストとしてご活躍されていたということもあってか、とても軽快な読み口で、なんというか悲壮感のないうつ病体験記です。
悲壮感がないなんていうと、当時病魔に悩まされていた著者に失礼かもしれませんけど、
それくらい重たい気持ちにならず、自分や周囲の人がうつ病になったときに、慌てずに落ち着いて接することができそうな、そう感じさせる内容でした。

とにかく、題材に比べてさくっと読めるので一読の価値あります。

それにしても棋士って、自分で想像していた以上にすごいことをやってるんだなって最近思います。
その場での解決とかアウトプットはできても、綿密に、長い道のりを抜かりなく構成する・見抜くって本当すごい能力だと思います。







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